コラム / Column

秘書のリスクマネジメントスキル

ある研究の結果を読んだことがあります。

日本人が圧倒的に苦手なこと、それは「リスクをとること」です。

そのため、リスクから逃げる、回避すること、リスクに立ち向かって乗り越えた経験をした人が少なく、「リスクのとり方を知らない」と考えられます。そのため、必要以上にリスクを怖がってしまうという傾向にあるようです。

今回の新型コロナウィルスの感染拡大も、1つの大きなリスク。

今、そのリスクから「逃げる」という選択肢を選ぶのか、それとも「うまく折り合いをつけていく」という選択肢を選ぶのか、また、リスクに対して「新たな発想のもと立ち向かう」という選択肢を選ぶのか。

これは、秘書業界に携わる皆さんにおいても同じです。秘書室長の方々とお話ししをしていて、企業によって、その選択肢がもうすでに異なっていることがわかります。また、秘書の皆さんの話しを聞いていても、そう思います。

前述の3つの選択肢のうち、どれを選びますか?

国によって、秘書検定の本やテキストの内容が大きく異なります。例えば、米国秘書検定のテキストと日本秘書検定のテキストの内容は、雲泥の差というほど内容が異なります。

私は、現役秘書としてデンマークの企業で働いていた時に、米国秘書検定のマネジメント分野の講師をしていました。そこには、ちゃんと「秘書のリスクマネジメント」に関する内容が記載されたページがありました。

社長や役員など上級管理職は、いつ何時リスクに見舞われるかわかりません。その時に、秘書がきちんとリスクマネジメントスキルを保持しているのと、していないのとでは、秘書の「補佐力」が変わってくると思いませんか? 

まさに今、COVID-19というリスクにさらされている日本。 秘書のリスクマネジメントについて少し考えてみませんか? 決してそのように必ずなるわけではありませんが、リスクの対処法について少しでも知識があると、いざ何時どんなことが起きても「心の動揺」を和らげることができます。メンタルの安定につながることが最大のメリットではないでしょうか。